ムーミン谷へのみち【本館】

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ムーミン谷へのみち

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トロール(Troll)とは

トロールとは北欧の妖精です。アニメでは“ムーミン”と呼ばれることの多い主人公ですが、原作では“ムーミントロール”の名称でしか呼ばれません。

妖精とムーミンはちょっと結びつきにくいと感じたなら、妖精とは「民族伝承の結果、存在すると信じられている生き物」と考えてみてはどうでしょうか。こう考えると「鬼もコビトも人魚も妖精」ということになるので、ムーミンが妖精の仲間でも違和感はないと思います。

もっとも、このトロールという伝承は、ヤンソンさんが「ムーミントロールという生き物」を生み出すきかっけの1つになったというだけで、ムーミンはトロールそのものではないようです。ま、どちらにしろカバではありません(笑)。

さて、トロールの中にも悪い奴やいい奴、いたずら好きな奴などいろんな種類がいるそうで、日本の妖怪みたいな存在なのではないでしょうか。一例をあげると、
「巨大で荒々しく、首をいくつも持った怪物といった感じのもの。」
「家に住み着いて家事(薪割りや水汲みなどの重労働)を手伝ってくれるもの。」
「人間ぐらいの背丈で灰色の服を着た素朴なもの。」
「全身毛むくじゃらで山にいるもの。」
などがあります。

ノルウェーの「トロール人形」ってご存知ですか?人形の逆立っている髪をなでると願い事がかなうそうです。これは森に住んでいるトロールだったと思います。

原作には、「長い毛におおわれて、大きな鼻と、ひものような長いしっぽをもった、灰色の小さな生き物」が“トロール”として登場しました。おしゃまさん(トゥーティッキ)がムーミンにこう言います。
『あれは、トロールなの。あんたも、ムーミントロールになるまえは、ああいうトロールだったのだわ。千年まえには、あんたも、あんなだったのよ』

また、
『ご先祖は大ストーブのうしろでくらしていた』
『ほかの家住みトロールたちといっしょに、人間の家に住んでいた』
というムーミンママの話もでてくるので、ムーミンのご先祖は家に住み着くタイプのトロールだったようです。(家事はしなさそうだなあ。)

ここからは余談になりますが、アニメ「となりのトトロ」で、主人公のさつきが「トトロって絵本にでてたトロルのこと?」と言ったのを思い出しました。これってトロールのことだったんですね。ああ、今頃気付くなんて…。(「となりのトトロ」は1988年の作品。)実は「トロル」を「トロロ」と聞き違えていて、トロロって何の絵本にでてくるのだろうと思っていたのです(笑)。

『 』内は「ムーミン谷の冬」(講談社文庫)、「小さなトロールと大きな洪水」(講談社)からの抜粋

2002年11月2日
2004年6月15日修正

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